健康と薬>スモークサーモン作りで正露丸ができる？

正露丸の主成分である「木クレオソート」は、１８３２年にドイツで
開発され、最初は食肉保存用の殺菌剤として使われました。
その後、消毒剤として人体にも使用されるようになりました。

スモークサーモンやスモークベーコンなどを作るときに熱した木から
出る蒸気から採取されたもので、非常に殺菌作用が強い成分です。
腹痛のみでなく、結核や赤痢などの感染症に対する効果も高く評価され、
全世界に広まったのです。
では、この「木クレオソート」がなぜ腹痛を抑えてくれるんでしょうか？
最初は「木クレオソート」に含まれる殺菌成分が、腸の中の悪い菌を
殺してくれるため腹痛が治まるのだと考えられていましたが、
長年の研究の結果、「木クレオソート」には腸内での殺菌作用は
ほとんどなく、腹痛の原因である大腸の過剰運動を抑えてくれることと、
腸からの水分分泌を抑えてくれるため、下痢などに効果があるのだと
いうことが分かってきたのです。

皆さんのご家庭にもきっと正露丸があるのではないでしょうか？
いちど、ビンに書かれている成分を見てみてください。
「クレオソート」と書かれているはずです。